ウォン・カーウァイ監督が【花様年華】、そして【2046】でも再び映画ロケに使用した
【金雀餐廳/GOLDFINCH RESTAURANT】。

映像のマジックはすばらしい。

実際の【金雀餐廳/GOLDFINCH RESTAURANT】はどうなのかっていうと

雀荘のような外観・・・ 扉のまわりの「モールのキラキラ」の安っぽさが涙をそそる。

 

場末のスナックのような内装、英語の通じない店員・・・
というローカル色たっぷりの古いレストラン。

 パイプ椅子のテーブルもある・・・。

店内に入ると、向かって左側にはソファシートが並んでいる。
【花様年華】公開後しばらくしてから、マギーとトニーの食事シーンの大きな額が登場。
この頃は壁紙がはがれかけていたり、かなりさびれた雰囲気がたまらなかったが、
【2046】撮影時に壁紙を張り替えたそうで、こぎれいな雰囲気に(ちょっとだけ)
 対面のレジの横に小さな【2046】の額も2004年に登場。


メニューは、広東語メニューのみ。
かなり古いステーキハウスで、”ビフテキ”屋さんといったほうがいいかも。
客層は、近所の店の店員とか、労働者風の人も多い。地元民に愛されるレストランである。
(東京だと、上野あたりにありそうな感じかも)

10年来の恋人がイギリス人男性であるわたしの友人の香港人女性は、
彼と出逢ったばかりの頃、「香港で一番美味しいステーキハウスに連れて行ってあげる♪」と
彼を誘ったそうだ。ステーキを食べた彼は一言「なんじゃこりゃ!」
「今思い出すと恥ずかしい・・・あの頃はあれが”最高のステーキ”だと思っていたのよね」という彼女。
若い頃にはありがちな思い出。それがご馳走だと思っていた時代、でもそれはそれできっと幸せなのだ。
彼ももう少し言い方ってものが(いや、相当びっくりしたのだろう、食べたことない味で)
ステーキのソースは広東風味らしい。(すみません、一度も食べてません)
このように1960年代に創業して以来、香港地元っ子たちに長〜く愛されている香港的洋食屋さん
なのである。

さて、2004年11月、【2046】記念にとふらりと訪れて、写真を数枚撮らせてもらった際に
今まで気がつかなかった新しい事実が判明。

 

まず店内入って正面がカウンターになっていて、今は【2046】のポスターが飾られている。
店内は扉から向かって左側にソファシート、正面から右半分はパイプ椅子のテーブルが並んでいる。

が、実はこのカウンターの右側にまだ小部屋が隠されていた。
お店のおじちゃんが、紅茶一杯しか頼まなかったわたしを優しくその小部屋へ誘ってくれる。
なにがあるのか!

実は撮影に使われたのはこっちの小部屋だった!
・・・大げさですみません。 (ちなみに、わたしが行った日は、従業員の休憩場と化していた)

 ひとつひとつのテーブルがパーテーションで仕切られている。

 そういえばこのシーン(【花様年華】)、たしかにパーテーションが!

お店のおじさん、わざわざわたしだけのために、ライトアップしてくれました。
泣かせるぜ、おやじ!
さびれたスナックのクリスマスのようなライティングの安っぽさがますますいい感じです。
 これがトニーとフェイ・ウォンが撮影した【2046】のシート。

 それが、このシーン。

 【花様年華】の撮影はむこう側。

 それは、このシーン。


そんなわけで、ちょっと得した気分になったのでした。
今度はステーキも頼んであげよう・・・。

これから金雀餐廳を訪れたいという方へアドバイス。
写真を撮るときはフラッシュはたかないほうが良いですよ。フラッシュをたくと・・・
 あっ、安っぽいのがバレちゃった!となる。あいや〜。

2004年9月29日からは【2046套餐(2046セット)】というステーキがメインとなった記念メニュー
が登場。二人分のコースで【204.6】香港ドル。
 よかったらお試しください(たぶん、ものすごいボリューム)。


どうしても、という人は止めないけれど食事はとくにここでしなくてもいいかもしれない。
ただし、ランチタイム、ディナータイムは地元ッ子たちでいつもとっても混雑しているので
お茶だけであれば、混みあう時間は避けて行くことをオススメします。

【金雀餐廳/GOLDFINCH RESTAURANT】)
住所 銅鑼湾蘭芳道13-15號 / 13-15Lan Fong Rd Causeway Bay
電話 2577-7981 英語は通じません。
営業10:00〜翌1:00

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ウォン・カーウァイ監督のお気に入り  金雀餐廳