九龍半島きっての繁華街、尖沙咀。
街を歩いていると、商売になっているのかどうかはなはだ不思議な「ニセモノトケイアルヨ〜」
と声をかけてくる中近東出身の客引きたち。この日本語での客引きをされるかどうかが
香港居住の日本人にとって
「まだ日本人に見える」かどうかのバロメーターだ
とまことしやかに言われていたりする。
(時々そんな中近東の人たちから、広東語で話しかけられます)
ここでもっとも有名な雑居ビルはウォン・カーウァイ監督の映画
【恋する惑星】【天使の涙】の
舞台にもなった重慶大厦(チョンキンマンション)だろう。

いつもビルの前は
客引きや何しているのかわからない人たちでごった返し
ていて、そのほとんどの人がアラブ人やインド人であり、雑居ビルの中も同様の民族構成、
香港の、しかも繁華街の中心でありながら、一種独特のあやしい雰囲気を醸しだしている。
雑居ビルの一階(グランドフロア)にはさまざまな、これまた「あやしい」店舗がひしめきあう。
なんだかわけのわからないモノがいっぱいあるおもちゃ屋、需要があるのかが不明な
かばん屋、雑貨屋(インド系)、立ち食いインドスナックのスタンド、VCD(インドもの多し)、
アクセサリー屋(これもインド・中近東系)、そしてレートが良いということで有名な両替屋
も多い。
金髪女性@恋する惑星が出てきそう。。。
ともかく、ほとんどの経営者もまわりをウロウロしている何しているのかわからない人たちもインド・アラブ
系、そしてアフリカ系の人たちばかり。
香港人でも、なぜここがそんな状態になっているのかわからないようだけど、
「チリも積もれば」
でいつの間にかここに集まってしまった・・・というところのようだ。
(でも話してみると、みんないい人だったりするから、むやみに怖がることも無い。客引きは強引だけど)
そして上層階にはバックパッカーたちが集う有名なユースホテルがたくさんあり、
【天使の涙】で
金城武扮する「モウ」のお父さんを演じた人が実際にそのホテルのひとつの管理人であることも
有名。そういえば、空港ですすで真っ黒な顔したバックパッカーらしき日本人青年と出くわした
友人が「どうしたのか」と聞いたら、
「重慶大厦に泊まっていたら火事にあって逃げてきた。
怖かったのでもう日本に帰る。」と言っていたそうな。稀に火事などがあるようで、もちろん防災設備
はまったく期待できない環境だけに遭遇するとかなり怖い思いをするという話はよく聞くが、みんなが
そう簡単に経験できることではないでしょう(一応フォロー)。
この重慶大厦(チョンキンマンション)はひとつのビルではなく、グランドフロア(1階)はひとつに
なっているものの、
実態は5つのビルがくっつきあって構成されているため、中は迷路のように
なっている。エレベーターも、ビルごとにあるため、どれがどれだかよくわからなくてごちゃごちゃ。
しかもエレベーター前はいつも混んでいる。
このビルの中にはインド料理屋さんがたくさんあり、地元ではかなり有名。
さすがに泊まるのはちょっと・・・
(香港人の友人でも「絶対こんなところに泊まるのはいや」って
言ってる人多いよ(笑))っていう人でも、レストランで重慶大厦(チョンキンマンション)体験して
みるというのはいかがだろうか。
さて、香港人の友人が連れて行ってくれたのは
【o加o厘王】。
ごちゃごちゃな重慶大厦だけに、わたしたちも目的の場所に行く前に一度別の棟に迷い込んだ。
7階のはずなのに、降りるとスタッフらしきターバンを巻いたインド人がたたずむ安宿だった。
「あれ?レストランじゃないの?」と聞くと、
広東語で「違う棟だよ、一回下まで降りてから、
違うエレベーター乗って」と教えてくれた。
エレベーターを待つ間、ホールの窓から下を覗き、ふたりで
「ひえええええ、汚い!こわい!」と
怯える。
飛び出しているパイプ、あちこちからの水漏れ、はがれた壁・・・かなりのものです。
ふたたびグランドフロアに戻り、ビルの奥へ。目指すレストランは「E座」の7階、入り口から
向かって
右奥のエレベーターに乗る。

到着。
なぜか
メンバーズオンリーと書いてある。
でもそんなことないので(笑)。
日本人の間でも有名なお店はいくつかあるのだけど、今回、わたしが友人に連れていって
もらったこのレストランは満席の賑わいだったにも関わらず、お客さんは「香港人」「インド人」「西洋人」
ばかりで日本人
(わたしを除く)および観光客風の人はゼロ。穴場かもしれません。
ビール2本、カレー2種、ナン、タンドリーチキン、インド風の紅茶を頼み、本場の味を満喫、
〆てふたりで200ドル!安くておいしい、
さすがは本場インド!(違う!香港だ!でもインド
のようなものだ!)
オーナーのジョニーは香港人。とてもフレンドリー。
「ヤップンヤン(日本人)?おはよう!」
と歓迎してくれた。
夜だったけど。まあ細かいことはいい。
多分彼が唯一知っている日本語なのだ、「おはよう」は・・・。

お客さんが多いのは、
「みんなジョニーのファン」だからだそう。能天気です。
でも案外ホントかも。
カレーもおいしく、リーズナブル。英語も大丈夫だと思うので、ぜひ気軽に遊びにいってみてください。
【o加o厘王/ KHYBER-PASS MESS CLUB】
【住 所】重慶大厦7/F E-2
Block E, 7/F E-2, Chungking Mansion
【電話番号】27212786/ 27391177
【営業時間】 12:00- 15:30 および 18:00-23:30
【ご参考:メニュー抜粋】
タンドリーチキン55ドル サモサ16ドル カレー39〜61ドル ナン各種 9〜18ドル
ラッシー 11ドル コーヒー 11ドル マサラティー 7ドル
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