ベトナムに映画の舞台をもとめて。


フランス映画を追いかけてきたわたしにとって、フランスのParisと、仏領インドシナとしてドラマの舞台になり続けてきたベトナムは特別だ。仏領サイゴン、現ホーチミンを訪ねた。

道を縦横無尽に走るものすごい数のバイク(花にたかる蜂か、食べ物にたかる蝿か)、充満する排気ガス、けたたましいクラクション、それでいてどのバイクもスピードが出ておらず、人の声もしないからか静かさえ感じるような不思議な街中、昼間から道端に座り込んで将棋をしたり、お茶を飲んだりしている人たち、挨拶がわりに声をかけていくシクロやタクシードライバー、本気で仕事する気があるとは思えない道端の露天商たち(昼寝率高し)。暇だからか、シクロに犬を二匹のせて運んでいるシクロドライバー。
まさに「季節の中で」の映像のような、動の街、ホーチミン。
そして、今もなお、「サイゴン」という名前にこだわる人々。

やたらとおつりや価格をごまかそうとするけど、とがめると「チッ」ではなく、「あちゃ」っという感じで笑顔であっさり返してくれる憎めない人たち(中国人との大きな違いがこれか・・・)。
背が低くて、肌がきれいで、スタイルのよいベトナムの女の子たち、ホーチミン近郊のゴルフ場へ行ったときのキャディの女の子は、カタコトの日本語も英語も話せないのに、ナイスショットをすると誰が教えたのか「ヘイワー!」と叫ぶ (「平和」ではなく、「良いこと」というような意味合いだととらえている様子。それを口にするのがベトナム人だから、なんだか微笑ましくも感慨深い・・・)、くったくのない彼女たちは、ラウンド中、花を摘んできてはわたしにプレゼントし続けてくれたり、ゴルフバッグを飾ってくれたりした。
本当に「平和」な気分で、ゴルフが楽しめる。


そしてチョロン。「愛人/ラマン」の面影を求めた気持ちも足を踏み入れた途端にふっとんだ、世界最悪の強烈な中華街。
でも、忘れられない衝撃的な混沌と汚さ。ゴミと埃と喧騒と排気ガスの灰色の街。


メコン河、「愛人/ラマン」「インドシナ」の時代のまま時間が止まっているかのようなチョコレート色の穏やかな大河。立ち寄った島々では、強い日差し、鮮やかな緑とたわわな木の実、光で反射する水のコントラストの美しさに「青いパパイヤの香り」の世界を現実に目にしたという感動。



昼は大沢たかおが「沢田教一」を演じたドラマで食事をしていた「ベトナム風お好み焼き」の屋台、ホテルコンチネンタルにある、「インドシナ」でカトリーヌ・ドヌーヴが怒鳴り込んでいたカフェ「コンチネンタルパレス」などを訪れる。

そして夜、ベトナム戦争時に夜な夜な、ジャーナリストたちが集ったというマジェスティック(現在は「季節の中で」で女の子が客をとりながら、いつか「泊まる側になりたい」と夢見ている高級ホテルになっている)の屋上のオープンエアのバーで夜のサイゴン川を眺めながら熱帯の空気をあじわう。
ここ、ホーチミンでは室内でも冷房はぬるく、心地よい。
香港の「どこでも人工的北極状態」とは大違いだ。


最後に社会主義を痛感させられたのは官僚的な空港の職員の態度!
でも、街中では軍の車(しかもポンコツ)を煽る一般乗用車やトラックがいたりする。
(これって中国じゃありえない!!!)

さて、最後にこの2つの”お笑い”を。
お相撲さんのイラスト入り、薬の広告 (たぶん)。意味不明。
博物館の売店では、「SUMO」という名前のドリンク剤らしきものも発見。(もちろんイラストはお相撲さん)ベトナム人にとっての、すもうって一体・・・。

そして、ゴルフ場の池には、「水泳禁止」「釣り禁止」の看板が。
だっ、誰かゴルフ場の池の中で水泳や釣りを?


ベトナム・・・行ってますます好きになった国。


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