中国にわたしの老師(老師=中国語<普通話>の先生の意味)なる日本人男性がいる。
どのくらいすごいかというと、中国人以上に流暢な美しい中国語(普通話/北京語)を操り、
中国人以上に中国歴史、文化への造詣が深い人物である。
でありながら、常に冷静客観的な視点から、中国、そして日本を見つめ語るのである。
ここでは主にその彼、また、幻想でも敵対でもない、リアルな【中国】をよく知る人たちから
聞いた話を掲載していく。

番号 ご教授

公開処刑

衝撃的な中国の話題を耳にしたため、老師に教えを乞うことにした。

老師、先日中国居住のわたくしの従兄弟が
こないだ、近所の公園で公開処刑してたんだよー」などと
申しておりました。びっくりしていましたら、実際には処刑ではなく、「処刑される人が
しばらく生きたまま公園でさらし首になっていた」(処刑される時には別の場所に
移動させられ見えないところで銃殺)のだそうですが・・・
それもかなりのことかと思います。
この21世紀、未だにそんなことがありえるのでしょうか!
ちなみに、罪状は「人身売買」だったそうです。

「そうですか、さらし首などの見せしめは、人身売買のような凶悪犯に対しては
まだ続けているのですね。
それだけ
人身売買が盛んということがわかりますね。
中国は、
大きすぎ、人が多すぎてコントロールできないからか、
はたまた、
昔からの伝統だからか、
見せしめ的な統治をする国です。
脱税や汚職摘発に対してもそうです。
「首謀必辧、協同不問」という言葉があります。
首謀者は必ず摘発して処分せよ、協力者は不問に付すべし、という成語で、
協力者まで処分するとことが大きくなって、思わぬ方向に展開し、収拾がつかなく
なるという意味です。
最近は、わたくしの座右の銘になってます。中国にいると、いろいろありますから。


【公開処刑(市中引き回し)について:老師からの補足】
ところで、昔は本当に「市中引き回しの上獄門」をやっていましたのですよ。(獄門とは
打ち首のこと、江戸時代、首を切り落としてから、三日間さらし首にしてました。現代中国
ではさすがにそこまではやらなかったので、正確に言うと、「市中引き回しの上、斬首」。)
2トンくらいのトラックの荷台に犯罪者を乗せ、首から罪状を書いた粗末な紙を下げ、
北京市内を一周してから刑場に行って銃殺というパターンでした。こういった公開処刑は

それでも80年か81年くらいには終わったはずですが。

・・・文化大革命が思い出させれますなあ・・・
お金@
中国の通貨である元は「紙幣」がほとんどである(コインは1元と0.5元、0.1元のみ)
ここで長年の疑問を老師に尋ねた。

なぜ中国のお金はあんなに汚いのでしょう。破けていることも多い
です。中国では新札の発行がなされていないわけではないと思うのですが
一体全体新札はどこに眠っているのでしょう?

老師は答えた。

「あれは私にも不思議ですねえ。私も中国のお札を触ったら、
手を洗います

まずは紙の質でしょう。日本のお札の材質は世界一と聞いています。
二番目は、個人がお金を銀行に預けないこと
でしょう。日銀は銀行を通して古い札を回収し、新しい札を流通させています。
中国では紙幣が銀行で回収されないため、その機能が弱いのだと思います。
また、札の印刷は、偽札防止措置の関係で、コストがかかるから、人民銀行
も先進諸外国ほど積極的ではないかもしれません。
三番目は、触る人間の手が汚れている、ホコリが
多いことでしょうか。中華料理屋の油がついたお札が流通するわけですから。
それから財布を使わず、紙幣を裸でポケットに入れている人が多いですね。これも
汚れる原因の一つかもしれません。
ここで実際に見てみると、新しい(赤)100元札、50元札(緑)は結構綺麗ですが、
古い100元札、50元札はぼろぼろのものが多いですね。
しかし、
10元札と5元札は、新デザインのものでも
ぼろぼろのものが多い
です。(※10元=約140円 2004年5月現在)
ここから類推すると、高額紙幣は大都市中心の狭い範囲で、比較的大事に
されながら流通しているが、小額紙幣は全国津々浦々を回り、短期間に身も心も
ぼろぼろにされてしまうのかもしれません。」


身も心もボロボロ・・・汚い紙幣、いつも不快に思っていたけど、少しいたわってあげたく
もなってきた。・・・と言いたいところだが、本当に本当に汚いのである。できれば財布に
はいれたくない、もしやこれが中国人が財布を持たない理由だったりしないだろうか!?
お金A
なるほど、上記紙幣の話は納得。
ここでもうひとつ老師に質問がある。お金の話パート2である。

老師、わたしはよく本土で香港ドルを中国元に両替しますが、中国で両替すると、
どうして両替屋のおばちゃんはいつも椅子にふんぞりかえっていて、両替した
お金をこちらへ投げ飛ばすのだろう、といつも思います。
あまりの態度に怒るのを通り越して笑っちゃうと、おばちゃん、ちょっと不気味そう
な表情をみせます。

老師の回答は以下の通り。

「昔から中国では物不足で、常に売る側の力が強かった。例えば肉屋でもなんでも、
店に入ると
従業員がいる床が、客より一段高く
ものを買うと、カウンターに商品を投げ、つり銭も同じように投げていたということです。
その名残は今でも質屋に残っています。香港で「押」屋さんを覗いてみてください。
まったくそのとおりです。
年の習慣が今でもつり銭を投げる、
出入国審査の時にパスポートを投げる、
宴会でタバコが飛んでくるという現象に
つながっているのでは
ないかと思います。
中国でものを買ったとき、是非一度、あなたもお金を投げてみてください。誰も怒りませんよ。」


怒られないそうです、どなたか試されてから、ぜひご報告を!
こんな伝統、継承されてていいのかどうだか。
エレベーター
中国では、エレベーターに乗るときに自分が行きたい階に関らず、なぜか上下ボタンを一緒に押す。そしてとにかくドアがあいたらとりあえず乗り込むという謎のルールがある。その謎が白酒老師によって解明!

「今の中国人は両方押すのに、きちんと目的があるのです。とにかくドアが開いたエレベーターに乗り込む、というのが彼らの原則ですね。近代的なオフィスビルやマンションなどは別ですが、中国的オフィスビル、ショッピングセンターなどでは、数が少ない、性能が悪くてどんくさいため、効率が悪く、エレベーターがいつも満員です。だからどっちに行こうが、目的地にたどり着くために来たものにとにかく乗り込むという生活の知恵なのですよ。」

余談として香港昔話。今はそんな人はあまり見かけないが・・・
昔の香港人は下に行くのに何故かやはり上下ボタン両方押し、上へ行くエレベーターが停まって
乗り込もうとし、乗っている人から上だと言われると、「アーン?」とか言ってまた降りて、エレベーターが行ってしまうと、上が消えているのでなぜかまた押す、という今の中国人のような人がたくさんいたという。
上に行くエレベーターに乗り込んで、降りてきたら当然自分が押した階(下に行くボタンが押されている)で停まる。そこで誰も乗り込んでこないのを見て「誰が押した!」なんて怒っている人も、昔はたくさんいたそうである。
今でも、「上だよ」と言ってるのに乗り込んできて、そのまま上まで一緒に行って下がって行く人は多いけど。これは待つのが嫌だという香港人気質の表れだと解釈している。

以上エレベーターあれこれでした。
衛生
ここしばらく、香港・中国公衆トイレ考察(しょーもない・・・)をしていてふと気がついた。

@男性用お手洗いにて。公衆トイレでは洋式トイレの便座をあげずに小用を足す男性が多い。
A公衆トイレで水を流さないで出てしまう人が多い。(流れが悪いという同情すべき面もある)

当然、目にした我々は卒倒しそうになるし、不衛生極まりないという結論に達しがちだが、ふと気がついた。
便座をあげない、水を流さないのはいずれも「不衛生な便座やレバーに触りたくない」からである。もしや、中国人は「清潔好き」なのでは!?ここで老師に教えを請う。

日本人の感覚で見ると、中国人は不衛生極まりない、そして確かに田舎に行くと、教育レベルや生活レベルが低いため、衛生観念は最悪である事実もあります。
しかし、香港・台湾・深セン・上海などの都市の住民たちは、それなりの衛生観念を持っていて、要するに「日本とは違う」ということです。
一番の違いは、
「自分だけの衛生」というところでしょう。列の割り込みだって似たようなもので、他人のことを気にかけない、という悪いところがあるわけです。それでないと生きていけない歴史だったのでしょうかね。
「公衆トイレ」という言葉は随分前から使われていますが、「公衆道徳」という言葉は聞いたことないですね。
幼稚園の保母さんが、園児を引率して、赤信号を渡る国ですから
。」

さて、みなさんどうお考えになりますか?
(注意:香港ではよほど郊外や公園などという場所でない限りここまでひどくない(空港などは日本より綺麗かも)。また、中国においてもSARS後は観光客の立ち入る場所などにおいては特に変化が見られるのも確かである。)
道徳
ある日聞いた。
「老師、中国には尊い【道徳】というものを説かれた【孔子様】がおられます。それなのに、なぜ現代に至っても巷の人民にはこれほどまでに【道徳】というものが欠落しているのでしょう。」

老師は答えた。

道徳観が何千年も前から無いから、孔子様が出てきて「こうしなければならない」「こうあるべきだ」と言っているのです。みんながきちんとできていたら、孔子様は世に出なかったはずです。

そして今に至る。おそるべし、中国の偉大なる歴史と伝統。
計算
今なお農村部から都市部への出稼ぎ、集団就職が当たり前の中国。中学を卒業して工場勤めに出てくる少年少女も後をたえない。
以降、【笑激的事件簿〜中国】でも記したある工場での中学を卒業して間もない女子対象の就職試験である。

(問1)
ある製品の直径は5mm±1mmでなければならない。
1,000個の製品をサンプリング検査したところ、3mmのものが97個、4mmのものが187個、5mmのものが436個、6mmのものが196個、7mmのものが84個あった。良品率は何%か。


・・・という問題、正解率ゼロ
ほとんどの答えが「38.3%」、つまり5mm(基準となる寸法)を不良品として計算している。でも38.3%がきちんと計算できるということは、百分率は知
っている。ただ、プラスとマイナスの意味を知らなかったようだ。おしい。
しかし、これはそもそもプラスとマイナスの意味を学校で習わなかったことが原因ある。彼女らの能力そのものを責めることはできない。

以下、給与計算の問題。

(問2)
ある工場の給与は次の公式で計算される。
給与=通常勤務時間×3元+日曜日残業時間×5元+祭日残業時間×7元
あなたのある月の勤務時間は通常勤務120時間、日曜日残業時間55時間、祭日残業時間24時間であった。あなたのこの月の給与はいくらか。


答えは803元、正解率は95%!!

さすが自分の収入の計算はパッチリである。少なくとも加減乗除は問題ない。

(問3)中国の四大奇書は何か。

答え「西遊記」「水滸伝」「三国演義」「紅楼夢」。
正解率70%、不正解でも一つだけ書けなかったという人がほとんど。

農村部の中卒女子が中国四大奇書まで知っているのである。(言っておくが、わたしのパソコンは「よんだいきしょ」で変換できなかった)この教育水準、決して低いとは思えない。

ここで老師のお言葉をいただく。

驚くべき事実であり、他発展途上国(へたするとアメリカなども)の底辺の教育レベルはここまで高くないのではなかろうかと思われます。
かといって、この国がたいへん裕福で先進的になるかというと、これまた難しい問題です。
民族の性というのがありますから


常に冷静な見解を語られる老師であった。
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鳴謝 白酒老師

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今が旬 【もっとスゴイぞ生中国】